東北関東大震災を通じてわかった、災害に強い携帯。

日本で観測史上最大のマグニチュードを記録した東北関東大震災。僕自身は名古屋にいたので、その災害に直接巻き込まれたわけではない。しかしその大きな混乱の中で、情報を入手する手段について大きく感じるところが合ったので、記録しておく。

メールや電話などが混雑の影響などで使いづらくなっていくなかで、システムに混乱なく、タイムリーな情報を提供し続けたのはtwitterであった。

被災地にいるひと、東京にいる人、西日本で災害を免れた人など場所に関係なく、タイムラインに投稿される内容は殆ど地震や交通状況に関係するもののみが流れるようになった。(実際の被災地でそのような情報が使えるかどうかは別にして、)とくに東京の帰宅困難者に対しては、避難場所であったり、Wifiの無料開放の情報、その他のTipsなど、かなり有用と思われる情報が提供されていた。またPostの中にはニュース系サイトの記事へのリンクがあるPostも多くあって、ある程度の信ぴょう性も確保された情報も提供された。

  • テレビも有用な手段

もちろんtwitterは有用な情報を多く提供してくれた。しかし、あまりに多くの情報が流れてきて、整理しきれなくなる可能性もある。もちろんまとめられたwebページなどを参照するのもひとつの方法だが、僕はテレビがとても有用な情報源になっていたような気がする。

とくにNHKの災害関連番組は、多くの帰宅困難者が発生し始める夕方などに、避難所の報道をするなど、人々が欲している情報をその時間に提供していたと思う。またtwitterと違い、ある程度情報が整理された形で提供されていたと思う。やはりネット文化が拡大したと言っても、非常事態においてテレビの力はすごいな、と改めて感じた。

  • 非常時にも使える携帯電話とは

やはり上記の点を考慮すると、非常時に役立つ携帯の特徴として、

1.ネット情報を簡単に手に入れられる
2.テレビやラジオを受信できる
3.バッテリーのもち

というのが必要なのではないか、と思った。1番に関してはやっぱりスマートフォンであるだろうし、2に関して言えば、ワンセグ付きであること、FMラジオ付きであることが必要だと感じた。今回、USTやニコ生などでNHKや各民放の災害番組を放送していた。しかしながら、通常時にさえUSTなどは回線速度が追いつかず、途切れ途切れでしか見れないのに、非常時にちゃんと放送を見ることができるかどうかは、非常に疑問である。改めてワンセグ機能は必要だな、と思った。

また、バッテリーの問題も非常時には重要だ。ネットや、ワンセグを使い続けることは普段以上に電気を多く使ってしまう。加えて、乾電池なども売り切れになってしまう可能性もあり、乾電池を使って、携帯を充電するというモデルもリスクがあると思った。

震災直後、都内のビックカメラがバッテリーを無料提供する、という情報が入った。もちろん完売となり途中で終わってしまった。
重要なのは、交換式バッテリーのメリットだ。交換式のバッテリーはそのまますぐに交換でき、充電のことを考えずに済むといったメリットが有る。充電を前提としたモデルは非常時に置いて電源の確保が難しい官能性があるが、交換式バッテリーの場合常にいくつかの予備バッテリーを所持していれば、しばらく電池に困ることはない。また予備バッテリーをもつことと、多くの充電手段を持ち歩くことでは、予備バッテリーのほうが場所を取らずに済む。

  • リスク分散も必要か?

という上記のことを考えると、要するにバッテリーが交換できるガラスマにすればいいではないか、という結論に至ると思う。
twitterの中には「多くのガジェットをもつことでリスクを回避したほうがよい」という意見もあった。

例えば携帯3社の端末をもち、その中から最も電波が通じるものを使い、DMPでワンセグやラジオにアクセスできるようにする、というふうだ。ガジェットの数が増えれば増えるほど、バッテリーに関しても安全性が担保されるということだ。

ネットへの接続方法をいくつももつことは、僕も重要だと思う。仮に3G回線の不通の状況を鑑み、wifiが無料解放されたとしても、その情報を知らなければそもそもネットに接続できない。まず第一歩の情報を手に入れるためにもネットは必要だ。

しかしながら携帯会社と複数契約(またはそれに加えWimaxなど)するという維持費の高さは否めない。無理をした防災対策というのは長続きしないと思う。

複数のガジェットを持つことも、とても防災に適しているとも思う。
しかし、いくら防災のためとはいえ、毎日多くのガジェットを持ち歩くというのは、オタクか余程のガジェッターでない限りあまり行いたいことではないと思う。

通信や情報、電源の冗長性をもつことは防災上重要である。ネットとテレビ、という情報の冗長性、ネットに繋ぐ手段の冗長性、電源の冗長性を確保することで、情報過疎にならずに避難を行うことができる。

しかしながらやっぱり、通常生活と、非常時との備えとのバランスを考えなければならいと、今回の震災を通じて感じた。